東京・上野にある国立西洋美術館にたいして
世界遺産への登録勧告があったようですね。
世界遺産に登録勧告された国立西洋美術館とは
戦後間もない1959年に開館した国立西洋美術館。
建設に至った経緯は、実業家の松方幸次郎が欧州で収集した
松方コレクション。
戦後は敵国の財産として差し押さえられていた物を
フランス政府が、日本に返還する条件として
美術品専用の美術館の建設を要望した事から
実現しました。
その設計者として日本政府が近代建築の巨匠といわれる
ル・コルビュジエに依頼しました。
1955年に来日して、上野公園の建設予定地を視察後
パリから基本設計図が送られて来たものを基に
ル・コルビュジエに師事した日本の3人の建築家
前川国男、坂倉準三、吉阪隆正が実施建築と
現場監理を担って1959年に完成しました。
コルビュジエ建築の特徴となるピロティ(1階を
柱だけにする技法)や自然光を利用した照明や
スロープが取り入れられています。
特に「無限成長美術館」という、必要に応じて
渦巻状の展示室をいくつも増築できるという
コルビュジエの構想を具体化した作品としても
高い評価を得ています。
ル・コルビュジエとは
本名 シャルル・エドアール・ジャンヌレ
スイス生まれ。
パリを拠点に活躍。
1914年「ドミノシステム」という鉄筋コンクリートを
使った建築工法を考案。
1926年「ピロティ」1階柱だけにする技法や
屋上庭園などの近代建築の巨匠として知られている。
1930年フランス国籍を取得
代表作はサボア邸と庭師小屋、ロンシャンの礼拝堂(フランス)
その他の国内の世界遺産2015年までの登録数
文化遺産は15件あります。
1993年 奈良 法隆寺地域の仏教建造物
兵庫 姫路城
1994年 京都・滋賀 古都京都の文化財
1998年 奈良 古都奈良の文化財
1999年 栃木 日光の社寺
2000年 沖縄 琉球王国のグスクおよび
関連遺産群
2004年 三重・奈良・和歌山
紀伊山地の霊場と参詣道
2007年 島根 石見銀山遺跡とその文化的景観
2011年 岩手 平泉・ 仏国土(浄土)を表す建築
庭園および考古学的遺跡群
2013年 山梨・静岡 富士山・信仰の対象と芸術の源泉
2014年 群馬 富岡製糸場と絹産業遺産群
2015年 福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・山口・岩手・静岡
明治日本の産業革命遺産
製鉄・製鋼、造船、石炭産業
自然遺産は4件あります。
2005年 北海道 知床
2011年 東京 小笠原諸島
まとめ
日本古来から受け継がれて来た文化や自然を
この先絶やすことなく未来へ引き継いでいきたいものです。
日本の世界遺産の総数に占める割合はまだまだ小さいですが
この先今回の国立西洋美術館に続いて、もっともっと
残していく努力も必要ですね。